#6 過ぎたるは及ばざるが如し

サミットの物々しい警備は強迫観念に駆られるものがあり、
それは日常生活にも着実に影響を与えている。

警察庁の発表によると今年上半期の刑法犯は、
殺人は増加していたものの全体的には減少しているようです。

2002年から犯罪発生件数は減少を続けている一方で、
治安維持の観点から警戒は強まっているように思えます。


今では公園や繁華街では当たり前のように監視カメラが置かれ、
人が集まる催しでは手荷物検査を行うことも浸透してきています。

社会の入り口でもある学校や保育園などの門は常に閉ざされ、
地域社会との交流を絶ち、孤立しているようにも思えます。

先日のサミットでは全国から警官を集め警戒にあたり、
1国の代表には空の便を乱してまで行うほどです。


そういったことの積み重ねによって治安が回復していることも確かでしょう。
しかし過剰なまでの警戒は新たな問題を生みかねません。

外国人渡航者からの指紋採取はアメリカに追従した結果ですが、
指紋を採られることに抵抗がない人はいないでしょう。

言葉で飾られた事件や保険や警備会社の広告は、
必要以上の警戒や不安を生み出すことになります。

治安の良さは世界に誇れる日本の良さであり、
冷静になってそのことを考えることが望まれます。