Wicked Game

今日はデンマーク人モデルHelena Christensen(ヘレナ・クリステンセン)を特集します。


彼女はコペンハーゲンで父はデンマーク人、母はペルー人の家庭に生まれました。
18歳の時にミス・デンマークに輝いたことでモデルを志し、
その翌年にファッションの都パリへ行くことでモデル生活を始めます。


彼女がデビューした1980年代末期から1990年代初頭は、
ファッション業界とモデルが栄華を極めた時代でもあります。
白銀世界を思わせる強烈な照明と目映いばかりのカメラのフラッシュの中、
独創的で遊びで溢れた衣装を身に纏ったモデルが闊歩する。
それは幻想的で過剰なまでに装飾された世界のものでしたが、
瞬く間に現実世界に影響を及ぼし「ファッション」となっていました。
そうした影響力に目を付け自社のブランド力を強化すべく、
CHANELやYves Saint-Laurenといったファッション関係はもちろん、
乗用車に飲料水、果ては怪しい会社まで挙って広告にモデルを起用しました。


Helenaもこうした時代背景を受けてまもなく雑誌や広告に登場、
そこで人気を得てファッション界に止まらずTV出演も果たします。
1991年にはChris Isaakの楽曲『Wicked Game』のPVに出演、
そこで見せた艶美な表情の数々は今も多くの人の心を捉えています。


若い頃の彼女の写真を見ると、
可愛いだけでなくどこかクラシックな何かを感じさせました。
ある人はそこに北欧の女性像重ね、ある人は北欧の自然を重ねたのかもしれません。
そして彼女はその体型もまた魅力的でGianni VersaceやKarl Lagerferldも称賛しています。
身体の線はそれだけで美しく、芸術的で崇高させるものがあります。


その後彼女は自ら雑誌の編集に携わることや写真家として活動するなど、
自身が身を置いていた華やかなファッション業界の裏方にまわる一方、
乳ガン啓発運動等の慈善活動にも積極的に取り組んでいます。
モデルとしてのHelenaキャリアはいわゆるスーパーモデル、
例えばCindyやNaomiには及ばなかったものの、
今日のファッション業界における影響力は肩を並べているといえます。
現在の彼女はモデル活動の第一線からは退いていますが、
パーティや広告、時折掲載される雑誌などの写真からは、
「ファッション」だけでない美しさを感じさせるものがあります。


昨年表紙を飾ったELLEの中で、
「自分の身体を見せることに抵抗はありません。私は胸が好き。女性らしいかたちが好き」
とまだまだモデル業への意欲は衰えていないことを明かしています。
また〔スーパーモデル〕という言葉は愚かで漫画っぽいとして嫌いとも話し、
90年代に起きた当時の現象を振り返っています。
また今年Reebokの広告に登場すると、
フランスやドイツの新聞でも絶賛され再びモデルとして脚光を浴びています。
イギリスの『The Sun』のインタビューに美の秘訣を問われ、
厳格な食事制限や激しい運動はしていないと答えています。
「息子を連れて市場に足を運び、地元の農家が育てた野菜を買うのが好き。」
彼女は美の秘訣は自分の母親が作ったジュースにあるとしています。
「セロリやパセリにビートで出来た野菜ジュースを作ってくれました。
健康に良いと思うから今では私が息子のために作っています。」


彼女はtatooを入れるとしたらcheeseと答えるほどチーズが大好きなようです。
Helenaのようになりたければチーズを食べましょう。