ひとつだけ

まだ二十歳なんですよね。


昨日までデンマークで行われたテニスWTAツアーe-Boks Sony Ericsson Open 2010では、
世界ランキング3位のCaroline Wozniacki(DEN)が地元の声援に応えて優勝しました。
決勝ではKlara Zakopalova(CZE)と対戦し6-2,7-6で勝利しました。


今年から新設されたこの大会はWozniackiの個人スポンサーである3社が提供していることもあり、
「Wozniackiの大会」と揶揄される一面もあります。
ここで彼女が勝利することは企業にとっては宣伝となり、
彼女自身にとってはスポンサーの維持や新規獲得、WTAポイントの獲得が出来ます。
ただ有力選手がほとんど出場していない大会で優勝したことが、
まもなく開幕するU.S.Open Championships(全米オープン)へと弾みとなるかは疑問です。


スポーツ選手は大変です。
__________________________________
次は自転車です。


Tour de France
それは自転車ロードレースにとっての歴史と伝統であり、
観客は生活の一部として、あるいは歴史的な目撃者として選手を見守っています。
Alberto Contador(ESP)とAndy Schleck(LUX)が一騎打ちを繰り広げた今年のレースもまた、
後々に語り継がれるであろう戦いとなりました。


Home、Memory Card・Jack&Jones。
デンマークに拠点を置く初の自転車ロードレースチームが誕生して10年以上経ちました。
創設者であるBjarne Riisの野心的な目標に答えるかたちで支援体制は強化され、
2008年にはCarlos Sastre(ESP)がツールで個人総合優勝を達成するなど、
現在のSAXO BANKはロードレース界における最強チームのひとつといえる状況にあります。


しかしそうした状況でも、
チームの成功は外国人によるものでデンマークの若者に機会が与えられていない、
というような批判の声が国内から挙げられています。
確かに優勝した2008年のツールに出場したデンマーク人はNicki Sørensenだけでした。
ただRiisは国籍ではなく役割や能力で選手選考していると反論します。
現在SAXO BANKに所属する24人中11人がデンマーク人で、
彼らはまだ若いながらも今回のツールには4人が出場しました。
将来有望の彼らが成長すればその可能性が広がることを意味します。


そんななか昨日行われたPost Danmark Rundt(2.HC)では、
地元の期待に応えてJakob Fuglsang(DEN)が総合優勝しています。
5位に入ったMatti Breschel(DEN)と共に
これからのデンマークの自転車界の牽引を期待されているふたりですが、
来季は別のチームで活動することが確実視されています。
エースであるSchleck兄弟の移籍、そしてスポンサーの撤退というチーム存亡危機は、
王者Contadorの加入で救われた格好になりましたが、
国内の有力選手が外国のチームに移籍することは皮肉なようにも見えます。


今回元コーチのKim Andersenが行った移籍騒動に関して、
デンマーク人の多くは裏切り行為だと感じているようです。
来季のSaxoBankSunGardはどのような陣営となるのか注目されます。


チームが存続するのは嬉しいけれど、
なんとなく複雑なのはどうしてでしょう。