#2 可視521

市民が司法の場に直接関与する事になる裁判員制度
来年に迫った運用開始を前に、その意義を考える。

閉じられた場で難解な言葉を用いて行われる現在の裁判は、
一般社会や市民の眼が届きにくい場所です。

その一方で、報道は重大事件に関して有罪・無罪を問いかけ、
裁判の結果ばかりを注視する傾向があります。

果たして社会は厳罰化が本当に望んでいるのか、
増加傾向にある死刑に関しても本当に望んでいるのか、
など疑問を持つこともあります。


その裁判に市民が参加することは、
司法への関心を高め、裁判に民意を持ち込むことができます。

99,9%有罪という現状。

日本には優秀な裁判官と検察・警察が大勢いるようですが、
権威主義的な考えは放棄し、
社会や市民と司法の線をなくすことが理想の裁判ともいえます。


しかしながら、日本の制度では市民が参加できるのは地方裁判所に限られており、
民意が司法の場に反映されるのか疑問が残ります。

また法廷が劇場に変化する可能性も秘めるなど、
危うい制度であることも理解しなければなりません。

この制度には改善されるべき点は多くありますが、
司法への市民参加の第一歩となるのならば大きな意味を持つことでしょう。