#3 無声文

( )カッコ。主に文の補足や台詞などに用いられるものだが、
最近の新聞やテレビではその役割は少し変化している。

新聞では主にコメントと文を区別するために用いられ、
情報供給者と発信者の立場を明確にする意味合いがある。

一方テレビの世界では字幕放送の補助的な色合いが濃く、
当然のことながら字幕を不要とするものには登場しない。

そんなカッコだが補足として扱う上には慎重に行う必要がある。


選手のコメントをそのまま文にしただけでは、
状況によって何について語っているのか分かりづらいことがある。

そこで文にカッコを使用するのだが、
カッコ内に入る文字によって意味が大きく変化する場合がある。

カッコは選手の意志ではないのにも関わらず、
そのことで印象を左右されることにも繋がってくる。


おそらくはカッコの有無は編集者に委ねられていて、
コメントが弱いと感じたら足されるのだろう。

視聴者や読者を思っての行為であったとしても、
それが供給者の意見を変えるものであったならば意味をなさない。

過剰なまでのカッコは考え物である。