#8 冷静と情熱のあいだ

熱帯夜に猛暑日と暑い日が続く夏ですが、
北京五輪が開幕しまた違った熱さを感じる近頃。

経済成長が著しい中国が国の威信を懸けての大会だけに、
成功を披露し国の行き先を示したいところでしょう。

日本は1964年に東京五輪を経験しその後も順調な成長を続け、
先進国の仲間入りを見事果たしました。

しかし今日では「もはや一流とは言えない」経済の停滞と共に、
五輪に対する価値観も変化しました。


五輪に出場することはもはや当然の事となり、
メダル以外の頑張りは評価されにくい環境になりつつあります。

銀や銅メダルを獲得しても「ごめんなさい」と呟く選手の声は、
大会の熱狂の中では異様な光景に思えてしまいます。

五輪や世界との距離が縮まったひとつの表れであったとしても、
結果・金メダルだけを評価するのは世知辛い。


「がんばれ」その一声は選手にとって応援にもなり、
重圧になることを見失いがちです。

選手各々に実りある五輪であることを期待しつつ、
あつい北京に眼を奪われる日々がしばらく続きそうです。