Hey! Mountain

先週挙げられなかった分を加筆して載せます。
自転車ロードレースの話題です


Le Tour de France(HIS)「ツール・ド・フランス」の前哨戦として知られるTour De Suisse(UPT)。
先週全日程を終了しデンマークに拠点を構えるSAXO BANK所属のFränk Schleck(LUX)が、
最終第9区のTT(タイムトライアル)で逆転し総合優勝を遂げました。


Fränkは第3区の細かい起伏に富んだステージで区間優勝していて、
第8区終了時に首位から38秒遅れの4位につけていました。
クライマータイプである彼はTTを苦手としているために逆転は不可能と思われましたが、
まさかの好走で区間13位にまとめて優勝しました。
第3区以降レースを優位に進めながら作戦のちぐはぐ感があったSAXO BANKですが、
この日はTT世界王者Fabian Cancellara(CHE)等のアドバイスが成功したということでしょう。


若手Jakob Fuglsang(DEN)も大会を通して安定した走りを見せて総合3位に付けました。
2008年にマウンテンバイクのU23世界選手権で優勝している彼は、
昨年ロードレースに転向していきなりグランツールのひとつ
Vuelta a España(HIS)「ブエルタ・ア・エスパーニャ」で3度表彰台に上がる活躍を見せています。
本来クライマータイプである彼が今回総合3位と活躍したことは、
TTが強化されたことによってオールラウンダーへと成長したことを証明したかたちになります。


ツールを目前に控えアシスト役にまわるJakobの好調ぶりは嬉しいものの、
これは彼自身の契約を掛けたアピールと受け取ることも出来ます。
彼は昨年チームとの延長契約が一度同意に至ったと見られていましたが、
実はそれは口答のものでしかなく結局同意出来ずに現在を迎えています。
まだ若く順調に成長すればグランツールを狙える可能性を持つ彼を欲しがるチームは多く、
彼が移籍を望めば来季の体制が依然として不明なSAXO BANK側は引き留めることは不可能でしょう。
契約に向けての動きが本格化する7月、
新たなスポンサー獲得発表はあるのか、Jakobを含めた選手の移籍はあるのか、
ツールの成績と共に注目されます。


あのデンマーク(最高地点173m)でクライマーが生まれるというのは不思議です。
以下は追記分です


そしてSAXO BANKのツール出場登録選手が発表されました。
名前(国籍):タイプ
Fabian Cancellara(CHE):TT+クラシックスペシャリスト
Andy Schleck(LUX):クライマー
Fränk Schleck(LUX):クライマー
Jens Voigt(GER):ルーラー
Stuart O'Grady(AUS):スプリンター
Matti Breschel(DEN):クラシックスペシャリスト
Chris Anker Sørensen(DEN):クライマー
Jakob Fuglsang(DEN):オールラウンダー
Nicki Sørensen(DEN):オールラウンダー
予備登録
Gustav Erik Larsson(SWE):TTスペシャリスト


おそらくエースはAndyで挑んでくるでしょう。
彼はツールで過去2年連続新人賞を獲得、総合成績も12位から2位と優勝に着実に歩みを進め、
打倒Alberto Contador(ESP)の一番手としての期待が高まっています。
しかし今季は調子が上がらないのか、それともツール一本に狙いを絞ったのか、
思うような成績を残せていないことが心配の種ではあります。
他のチームと比較しても見劣りしない豪華な布陣で挑むツールだけに、
スポンサー獲得のためにも彼に掛かる期待は大きなものとなりそうです。


と書いていたら、
どうやらSchleck兄弟はルクセンブルグを拠点とする新チームに合流するようです。
新チームは元々SAXO BANKにいたTeam SKY(GBR)の関係者と
SAXO BANKのコーチの働きかけにより設立され、政治家のサポートもあるようです。
ルクセンブルクで生活しているJakobもそれに加わると見られていて、
コーチはチームをクビ?離脱?になるなど、ツール本番を前にゴタゴタしてます。
残念です。