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梅雨が明ければあとは夏フェス。


7月1日〜4日にかけてデンマーク最大にして北欧最大の音楽イベント
Roskilde Festival(ロスキレ・フェスティバル)が開催されました。
このフェスは北欧の短い夏、そして長い夏休みの始まりに相応しい音楽の祭典です。
今回のフェスは全6会場で構成され75000人の4日通しの観衆・12000人の当日観衆に、
5000人のメディア関係者・3000人のアーティスト・25000人のボランティアで成り立っています。
観客をデータで分析すると、男女の比率は男性52%:女性48%、
平均年齢は23歳で、北欧に住む学生が典型的な観客といえます。
また観客の50%が電車での来場、去年が初参加の人は31%、
開催期間中に1人あたり4700DKK(6万5000円)を使用するとのことです。


このフェスでは2000年、Pearl Jamがメイン会場であるオレンジステージでの演奏中に、
5万人の観衆の一部が圧迫状態になり45人が病院に運ばれ9人が亡くなる悲劇がありました。
今年はその事故から10年ということで出演者や観衆が犠牲者を追悼する場面が見られました。
Patti Smithは事故が起きた18時にトランペットの演奏を合図に舞台上から9輪のバラを投げ、
ギタリストのLenny Kayeは犠牲者の名前を読み上げました。


世界中から音楽ファンを引き寄せるフェスだけに治安の面で不安がないわけではありません。
今年も些細なけんかによって男性が刺されるという事件が起きています。
また関連イベントへの参加者によってフェス開幕前に門やフェンスが破壊されたり、
偽物のチケットで入場を謀る人や置き引きやスリを狙う泥棒もいたりします。


裸好きなデンマーク?だけに関連イベントでは全裸競争(Nøgenløb)が開催されていて、
それも手伝ってなのか、このフェスには性に開放的というイメージもあります。
夏を存分に味わうために露出の高い恰好をした男女の中には、
1フェス限りの関係を持とうとする人が少なからずいるようです。
フェス側は会場内でピルの販売やコンドームを1万人分無料配布するなどの対応に出ています。


肝心のステージの様子はどうだったのか。
各メディアでは6段階でアーティストのパフォーマンスを評価しています。


全体的に評価が高かったRobyn(SWE)は3日目に登場しました。
31歳にして既に15年の歌手としてのキャリアを持つ彼女は、
自身の音楽的要素とステージ上での振る舞いが見事な調和を見せ、
挑発的で妖艶なポップスターとして輝いていました。
惜しむべきは彼女の舞台がオレンジステージではなかったことでしょう。


祭典終了後、組織委員はチケットや会場内での飲食物等の売り上げが好調だったと述べ、
総売上は1億3000万DKK(18億円超)、利益は1000万DKK(1億4000万円)と予想しています。
「成功と言っていいでしょう。会場は概ね人で埋まっていましたし、
会場内での犯罪行為も予想したよりも少なかった」としています。
8万のチケットが売れましたが犯罪の報告件数は少なく刺傷と窃盗が数件でした。
一部ではレイプ被害を受けた女性が2人いるともされています。


berlingskeはフェス全体の評価を3星としています。
理由としては学生には出店の価格が高すぎる(ビールが40DKK=560円)ことや、
出演陣がどちらかというとローカル的な人気のアーティストが多かったことを指摘しています。
参加者からも飲料の持ち込みが禁止されたことに対する不満が挙がっています。


フェスの様子はこちらの写真でお楽しみください。
foto.jp.dk
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