Propagande

いつ終わるのでしょうか。 cphpost.dk
ムハンマド風刺画問題が発生してから5年、
風刺画を最初に掲載した新聞社は報復の脅威から身を守るための防御壁で覆われています。
VibyにあるJyllands-Postenの支部諜報機関PETの忠告を受け入れ、
金属フェンスで会社を包囲して厳しい警備体制を維持しています。


とても穏やかな街並みを否定するかのように立てられた高さ2.5mのフェンスは、
24時間体制で監視が続けられさながら軍事施設のような漂わせています。
万が一車がフェンスを突き破ることがあっても、
巨大な岩がそこには立ちはだかるなど警備に抜かりはないように見えます。


会社と接触を計ろうとする人にもそれはおよび、
車を1台ごとにゲートで区切ってはそこで検査をしてから出入行させます。
そして従業員もまたひとりひとりにあてられたコードを入力し、
ひとりずつゲートを通過する必要があります。
それでもPETはコペンハーゲン事務所の警備体制を高める必要があるとしています。


1度それに慣れてしまうともう緩めることはできない。
警備とは良い商売です。
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それは1枚の紙でしかありませんでした。


2005年9月30日、デンマークの新聞『Jyllands-Posten』に掲載された12枚の風刺画は、
後にムハンマド風刺画問題(デンマーク国内ではムハンマド危機)となり世界で議論を呼びました。
今年の同じ日、その風刺画の掲載を決定した同紙文化部長であるFlemming Roseは、
『Tavshedens tyranni(英訳Tyranny of Silence)』という著書を発表します。
問題の経緯について書かれたとされるこの本について専門家は、
イスラーム世界とデンマーク間で新たな摩擦を生み、
新たなムハンマド危機を呼び起こすものだとが指摘しています。


2008年ライバル紙である『Politiken』といくつかのメディアは、
問題の風刺画を再発行することを停止すると発表しましたが、
その後も世界の新聞や各メディアでは取り上げ続けられています。
アメリカのテロリズムの専門家は、
転載することの意味を真剣に考慮すべきだと語ります。
またアルジェリアデンマーク大使は
再版されるたびにデモや暴動といった修羅場が起きていると言い、
イスラーム至上主義者もプロパガンダに利用するためにそれを歓迎していると指摘します。
「そしてアラブとデンマークの政治指導者は、
これが内部で問題を生じさせるものでしかないことに理解しているだけに、
またかと頭を振ることでしょう」


Rose氏本人はこの本にムスリムを怒らせるような意図はないと語っていますが、
「ただ文章や図面を読んだ場合いくらか不快になる要素は含まれているかもしれない」
と述べています。
この秋この問題の当事者で本を出版するのは彼だけではありません。
一番有名な風刺画を描いたKurt Westergaardもまた自伝
『Manden bag Stregan(英訳The man behind the drawing)』を11月に出版予定です。


彼が望んだ成功ではないかもしれませんが、間違いなく金銭・知名度では成功しています。
彼が自伝を書く段階でこれ以外の題材はないことは分かり切っているはずで、
その本を称賛しようが非難しようが、いずれにせよまた名前が売れます。
また後日Kurt Westergaardの話題を取り上げたいと思います。
Propagande / Sexion d'Assaut 2009年