ブルース

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この秋に学びの場をスウェーデンに求めた学生は多くいます。
そのなかには物件探しとの戦いに苦闘している学生もいて、
今回はアメリカからの留学生がその件について語っています。


学生会館に集まった学生は「最悪の住宅危機だ」と叫びます。
私の故郷ボストンでの物件探しなら、
1日あればお気に入りのものを見つけることが出来るでしょう。
ここスウェーデンではそれは様々な理由で不可能だろうということは理解していました。
私は以前交換留学生としてUppsalaに住んでいた時には、
大学が手配した住宅にひとつ返事ですぐに転居が出来ました。


この問題のそもそもの始まりは、
5月まで私の修士プログラムが正式承認がされていないという、
国際出願に関する手続きの不備にありました。
これはつまり私のビザが数ヶ月後まで認可されないことを意味します。
この夏、私は卒業後に直ぐにスウェーデンへと移動して、
旅行をしながら物件を探す計画でいました。
しかし私はビザの承認が下りた8月末までボストンに留まることになり、
結局すべての手続きをオンライン上で行うことになりました。


冬の段階で私は大手住宅仲介業者に登録をしていましたが、
その地点でとても多くの顧客が待たされている状態でした。
スウェーデン人でさえ住宅待ちの状態で、どれだけのチャンスがあるというのでしょうか?
私は毎日、ほとんどすべての部屋に「関心あり」をクリックをしては、
数日後に送付されてくるスウェーデン語のメールに目を通していました。
「それは既に別の希望者のものとなりました」
あるいは「あなたが指定した物件は存在しません」。
100件は下らない希望を出していた私はこの結果に衝撃を受けました。
また別の問題として、スウェーデンでは、
同国の個人識別番号がないとほとんどのサイトがその人の登録を許可しないことです。
この個人識別番号を得るためには、スウェーデンの居住許可を得る必要があります。
ああぁ本当に最悪。


その後6月には詐欺のサイトに引っ掛かっては騙されそうになり、
7月にはようやく見つけだしたルームメイトが、
私がスウェーデンの地に降り立ってから音信不通となりました。
彼女の最後の伝言は
「25歳未満の人と同居することなんてできません。アパート探し頑張ってください!」
今度は本当に失望しました。


その後私は学生連合に問い合わせに向かいました。
そこでは1日中物件を探すことが出来ます。
今回の件で肯定的な面があるとすれば、住宅関連の情報にはかなり詳しくなりました。
最初の2週間は1日最低5件以上の物件にメールを送り、
「既に埋まりました」という伝言をひたすら開き続けていました。


私と同じような境遇の学生達は「伝言を開く」を押せば状況が劇的に変わる、
という一種の信仰めいた気持ちで待ち続けています。
彼らの中には大聖堂で寝泊まりする人やトレーラーハウスに居を構える人もいます。
ある留学生は「Uppsalaは馬鹿げている。
学生を受け入れておいて、どうして家がない?」と言うほどです。
その通り。
全国の学生は、スウェーデン人か留学生かは関係なく、
この問題について声を挙げています。
けれども友人は、私にボストンへ帰ることを進めるようにこう言います。
「家もなく、借りられる見通しもないのに、どうしてここに居たいと思うの?」
この助言を真剣に考えるべきかもしれません。
住居が見つかるまでは入学を延期して、それまでアメリカで仕事をするかもしれません。


これを書いたのは町の中心部にある小さなホステルです。
ここも明日の朝には出なければいけません。
ひとつ言いたいことは、こんなことがあっても私はスウェーデンに夢中です。
私はmüsliとfilmjölkが大好きで、
リサイクルを含めた環境意識の高さや町中どこへでも自転車で移動できること、
都市部にも自然に溢れていることは素晴らしいことだと思います。
だから簡単には諦めたりしません。
部屋がないだけのことでこれだけ幸せになれるのなら、
それを得たときの喜びは想像を絶するものになるはずですから。


補助とか助成とか受け入れ体制が不十分としか言いようがないです。
ブルース / ユニコーン 1991年