Rip This Joint

飼い慣らす。


ノルウェーに暮らすポーランドからの移民は、
建築現場や事務員、学校といった多くの現場で活躍してはこの国の経済に貢献しています。
しかしながら、彼らは未だに労働市場における差別問題に悩まされています。
政府関係者も彼らと企業側の搾取との戦いは続くと見ています。


『Dagsavisen』紙が伝えたことによると、
建設業と清掃業で働くポーランド移民のうち、
正規雇用あるいは終身雇用を評されているのは僅か20%だということです。
多くの移民は書面で正式な手続きを通さない契約をしていて、
不当な残業を強いられるといった違法な労働条件下にあります。


2004年に欧州経済領域を拡大したことで、
ポーランドからの移民はノルウェー最大のグループへと成長しました。
研究機関であるFafoの報告によれば、オスロ周辺で暮らすポーランド人は1万6千人いるとされ、
彼らの80%が建築作業現場あるいは清掃業で働いているということです。
その規模はとても大きいものですが、
不真面目な雇用主による保障の回避や税金対策のために、
彼らは低賃金や期間雇用という状況に置かれています。


「近年、ノルウェーで働くポーランド人労働者をめぐる環境は悪化しています」
と職業紹介所の代表を務める男性は言います。
ノルウェーで勤めて6年が経つ彼は、
同僚の多くは闇市場で働くよう求められ、不安定な仕事をしながら生活をしているとのことです。


Fafoの研究者はポーランド人がノルウェーの一般的な労働市場の中に含まれていないと指摘します。
2006年から現在まで、正規雇用の数は4%しか改善されていません。
建設会社は経済不況の中でポーランド人をbufferとして採用して、
一時的に労働者を減らすことでノルウェー人を保護する傾向があります。
「無責任な経営者を取り除く努力をより一層高める必要があります」
労働省の長官は言います。


この差が諸問題へと波及していくのでしょう。
Rip This Joint / Rolling Stones 1972年