Drunk

武勇伝。


コペンハーゲンのHvidovreに貼ってあったポスターにはこう書かれています。
【10〜18歳までのイベント。アルコール飲み放題】
しかし、自宅外での飲酒に関する境界線については議論が必要でしょう。


「私が悪いことをしたなら、親は注意する必要がある。
いつも飲んでいるけれど、両親は止めようとはしない」
と14歳の彼は言います。
彼は毎週末、バックの中身をビールやBreezerで一杯にして、仲間と一緒にクラブへ出かけています。
彼らは毎日お酒を飲んでいるわけではないですが、
可能な日には好きなだけ飲むことが出来ます。
「パーティーの時はビールを8,9杯、それかウォッカをハーフボトル飲みます」
と語る15歳の男子は、初めて酔った年齢が11か12歳の時だと明かしました。


14歳の女子は、自身が飲酒することに母親がまだ慣れていないと言います。
「私が酔っていると母は不機嫌になります。
でも父は無関心のようで、パーティーの送迎をしてくれます」
彼女はアルコール量に決まり事は存在しませんが、
パーティー毎に何時までに家に帰るという条件が家族から課されています。


「携帯電話を持たされているし、週末の24時には必ず家にいます。
両親は夜に外で遊んだり、泊まったりするにはまだ早いと心配しています」
と15歳の女子は言います。
友人と遊ぶ前に、家に必ず一度帰らなければならないという決まりに、
彼女は時々うんざりするようです。
「私を心配してくれるのは嬉しいけれど、
私の行動すべてを親が知る必要があるとも思えません」
パーティーに不明な点があると、彼女の朝は二日酔いと母からの詮索で幕を開けます。


彼ら全員に該当するのは、飲酒について親が干渉することはない点です。
「素敵な夜だった?とか、悪いことはされてない?とか両親は尋ねてきます。
色々答えるけれど、それがすべてじゃない。
親は管理できていると思っているかもしれないけど、
些細なことはなにも知らない」と先程の15歳の男子は述べています。


実際『Børnesundhedsprofil』が実施した子どもの飲酒に関する調査では、
15歳の学生でも飲酒の禁止や制限が課されている人はほとんどいませんでした。
ただ親たちは、もっと子の飲酒に関して真剣な態度をとる必要があるでしょう。
Sundhedsstyrelsen(国家健康委員会)によると、
15〜16歳の男子の43%、女子の35%が一晩で5杯以上お酒を飲み、
それによる中毒や喧嘩等の問題を経験したことがあるということです。
この国では子どもの飲酒に関して伝統的に寛容です。
Undervisningsministeriet(文部省)が制作協力した映画『Når vores børn drikker』では、
子どもが飲みに出かける金曜日の夜に、親は立ち上がる必要があると説いています。


10代の若者に対して、親がアルコールに関する線を引くことは、
思春期の彼らにとっては重要な役割だと事故予防の専門家は言います。
「多くの若者はパーティーで失敗する可能性があり、実際に彼らはそれを懸念しています。
だからこそ親は、子の飲酒に関するルールを設けるべきです。
子どもは、飲み過ぎが喧嘩や不要なセックス等の問題に発展することを理解しています。」


日本では20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
Drunk / Kylie Minogue 1997年