Daydreaming

己に酔いしれているかのようです。


フーリガン
暴徒化したサッカーファンを指すこの言葉が世界に浸透したのは1980年代のことで、
各地の試合開場やその周辺での彼らの振る舞いは社会問題にも発展していました。
現在ではこの言葉を生み出したイングランドの地で彼らを見る機会はあまりありません。
しかしながら、スウェーデンではこれは現在進行形の話題です。


今年5月スウェーデンのSödertäljeで行われたSyrianska FCとAIK Fotbollの試合では、
審判が花火による攻撃を受け試合が中止となる事態が起きました。
この問題は起こるべくして起こったものだとサッカー関係者は見ています。
民間放送局TV4が昨年10月に行った調査によると、
スウェーデンのサッカー選手の5人に1人、Allsvenskanのクラブ関係者の3人に1人、
そしてほとんどの審判がファンからの脅迫や嫌がらせを受けた経験があるということです。
これが誤った行動であることは明白です。
このまま何も改善されなければ、
スタジアムのどこかで負傷者が発生する事態が起きることは容易に想像できます。


イングランドの場合と比較することは簡単ですが、これは複雑な問題といえます」
とサポーター組織の会長は言います。
イングランドで行われた対策をまねることが最良の方法と考えている人は多くいますが、
スタジアムから暴力を追放することはそう簡単にはいかない可能性があります。
「まず第一に、スウェーデンとイギリスでは文化が大きく異なっていて、
フーリガン問題の解決策が必ずしも効果を発揮しているとは言い切れません。
我々は30年以上も同じことを議論してきましたが、考えを改める必要があるでしょう」


近年スウェーデンではライバルチーム同士のサポーターによる衝突が目立っています。
2004年と2007年にはサポーターによる乱闘が発生していて、
2009年には試合中にサポーターのひとりが相手チームのGKに襲いかかる事件も起きています。
今年も上記に挙げたものを含めた事件が多発しており、
5月にはMalmö FFとHelsingborgs IFとの試合ではHelsingborgのGKが襲われる事件が起きています。
Svenska Fotbollförbundet(スウェーデンサッカー協会)の会長は、
これらの問題に対する政府の介入を期待しています。
「サッカーは内なる犯罪要因に対処できていません。
したがって、我々は政府の行動に期待しています」
「私たちは毎日のように問題を改善すべく励んでいます。
ただこれらの事件に関しては政治家が厳しい法律を設けることが我々の助けになるのです。
彼らはスタジアムで誰かが死ぬのを待っているようにさえ思う」
選手側も一連の問題の解決に向けて行動を起こし、
Allsvenskan全16クラブのキャプテンが暴力に反対する公開書簡に署名しています。


スポーツでは相手への敬意もまた重要な要素のひとつだと考えています。

Daydreaming / Massive Attack 1990年