連載小説

その熱はどこまで浸透するでしょうか。 b.dk


外国からのデンマーク映画への関心が再び高まってきているようです。
フランスのFestival International du Film de Cannes(Cannes国際映画祭)に参加していた映画関係者は、
デンマーク映画への問い合わせがたくさんあったことを明かし、
以前Dogumeで味わったような脚光が再びこの国へと向けられているようです。


「外国人によるデンマーク映画への関心は、
2000年Lars von Trier監督の『Dancer in the Dark』の成功以降は低くなっていました。
その当時のデンマーク映画界を言い表すとしたら、想像以上の盛り上がりでした。
そのような現象が今年のCannesでも感じ取れた」
と映画配給会社関係者は言います。
この会社はTrier監督の最新作である『Melancholia』や
Nikolaj Arcels監督の『Dronningen og Livlægen』を配給しています。


現在この会社では、
外国映画配給会社と交渉する際に映画の価格を決定できるということです。
「Dronningenの試写をした際に、沢山の人が興味を示したことが直ぐに感じ取れました。
それは我々が映画価格を引き上げることが出来ることを意味しています」
今回の成功は金融危機後に大きく後退していたデンマーク映画への興味を復活させるものであり、
代理店は空になった棚を一生懸命埋めている最中にあるといえます。


SF映画専門の販売代理店の関係者もまたCannesで熱を体験しました。
Dogumeの頃とは異なり主要な商業作品への関心が高い、と彼女はいいます。
「過去にデンマーク映画で国際的な関心を集めた作品は、
小規模でありながらも高レベルな芸術作品でした。
現在では商業作品・娯楽作品に注目が集まっています」
「この国の映画監督が生み出す作品は本当に高品質なもので、
実際よりも高価な値段で取り引きされています。
バイヤーは脚本家が作り出す淡々とした話にもまた感動しています」


『Hævnen 邦題:未来を生きる君たちへ』がアメリカで高い評価を得ている作品として紹介されていましたが、
何故アメリカ評価だけが特別視されるのでしょうか。

連載小説 / Pizzicato Five 1987年