Monkey Punch Monkey Kick

2日に分けてお送りします。


9月19日〜25日までデンマークコペンハーゲンでは
UCI Road World Championships(世界選手権自転車競技大会ロードレース)が開催されていました。
開幕前地元デンマークには暗い話題が持ち上がります。
ひとつ目は前年の世界選銀メダリストであるMatti Breschel(Rabobank)が
指の骨折のために代表の選抜から外れたことです。
今回のコース設定である平坦は彼が得意とするものであり、
地元のエースとしての活躍が期待されただけに残念な離脱でした。
ふたつ目はAlex Rasmussen(HTC-Highroad)がドーピング検査を3度逃れたとして
所属チームを解雇、Danmarks Cykle Union(DCU)からも出場停止処分を受けたことです。
タイムトライアル(TT)での活躍とロードレースでのアシストが期待されていましたが、
同じ性を持つMichael Rasmussen(Christina Watches-Onfone)同様、
疑惑を残したかたちで自転車界から一時的に距離を置くことになりました。


そんな雰囲気を一掃するように開幕直後から地元勢が活躍します。
まず開幕日のU-23男子TT部門で同国TT王者Rasmus Quaadeが銀メダルを獲得します。
国内王者になったときと同じようにゴール直後倒れ込んだ彼は、
1位と35秒差あったことを不満に思いつつこう話しました。
「緊張していたけど距離を置いて自分を保とうと努めました」。
「歓声がとても大きくて、後ろにいたコーチの声がまるで聞こえなかったよ」。
「来年はもっと強くなりたい。銀は一度で十分。金を取りたい」。


翌日今度はジュニア男子TT部門でMads Wurtz Schmidtが優勝を果たします。
首位に立ち後続の結果を待つ彼の表情や仕草は間違いなく少年ですが、
母国の観衆にもたらした歓喜はとても大きなものでした。
母親は息子の活躍に興奮した様子でこう語っています。
「息子の走りにただただ興奮していたし本人以上に大満足の結果でした。
そして優勝が決まりました。何が起きているのか把握しきれずにいます」。


23日にはジュニア女子ロードレース部門でChristina Siggaardが3位に輝きます。
彼女は大会前のレースで落車しひどい怪我を負ったため出場が危ぶまれていました。
涙を浮かべながら彼女はチームメイトへの感謝を口にしました。
「良い位置に着ければ結果が出ると信じていました。
みんなが素晴らしい働きをしてくれたおかげでメダルを獲得できました」。
「歓声の大きさに感動しています。こんな体験は初めて」。


最終日の男子ロードで活躍が期待されたのはノルウェー
前回王者のThor Hushovd(Garmin-Cervélo)とEdvald Boasson Hagen(Sky)です。
優勝候補をふたり抱えるチームはダブルエース体制で試合に挑みました。
ただ本番ではレース中盤に発生した落車によってHushovdは後続グループに取り残され、
Edvaldは位置取りが上手くいかずに8位で大会を終えています。
彼は力が足りなかったとしつつ、この結果を前向きにとらえています。
「がっかりはしてないよ。勝つための時間はまだ残されているからね。
僕にとって8位は世界選での最高順位だし、良い確認が出来た」。
地元デンマーク勢はそれぞれ積極的な走りを披露しましたが、
Michael Mørkøv(SaxoBank-SunGard)の18位が最高順位でした。
彼はレースについてこう話しています。
「上位20位以内に入ったことで最低限の役割は果たせて良かった。
10位でも18位でもそれほど差がないので個人的には満足です」。
最終的にデンマークが今大会で獲得したメダル数は3つ。
これは同国がこれまで世界選1大会で獲得した最多メダル数2つを更新しています。


写真
いざ開幕 初日 最初のメダル 結果待ち 男子TT1 その2 Tony Martin優勝 練習風景 男子ロード 最終日

Monkey Punch Monkey Kick / Dragon Ash 1997年