Repenti

見えない壁を乗り越えるのは容易ですが、 hs.fi


フィンランドのKanta-Hämeで警察に務めている男性は、
囚人が刑務所内で良い行いをしていれば彼らを危険と疑う理由はない、といいます。
今年8月2人を殺した罪で服役していたT受刑者が、
Vanajaにある開放的な刑務所から脱獄し、後に逮捕される事件が起きました。
その翌日当局は、別の囚人が許可無くVanaja刑務所から離れたことを発表しました。
T受刑者の事件はこうした施設の是非を問われることになりそうです。
近年は開かれた刑務所か逃亡を図ったり、一時帰休から戻らない受刑者が問題になっていて、
今年上半期は40人の囚人がこうした逃亡を行いました。
彼らのほとんどは直ぐに逮捕、あるいは自発的に戻っています。


刑務所内で非の打ち所のない模範囚が釈放後に重大事件に関わる場合もあることを、
Oikeusministeriö(司法省)の刑事政策事務局長は認めています。
ただ彼は開かれた刑務所に配置される地点で、
その囚人の危険性について十分な検討がされていることも強調します。
そして釈放前にそうした環境に置くことが受刑者にとっても良いことだと考えています。
「指標ではもう少し釈放を制限したかたちで行うことも検討されています。
ただ1950〜60年代のような状況にはしないでしょう」。
フィンランドでは開放的な刑務所から逃げ出すことは他の刑務所とは異なり犯罪とは見なされません。
彼はこの件をこう説明します。
「開かれた刑務所は信頼に基づいたものであり、そうすることで機能しています。
そこから旅立つことが困難である人達に何らかの罰を与えることは、
こうしたシステムの整合性が損なわれることになります」。
開かれた刑務所から脱獄した囚人は通常の刑務所へと移され、
逃亡した時間分だけ量刑が追加されます。
一方通常の刑務所から逃げた場合には犯罪と見なされ約2ヶ月量刑が加えられます。


脱獄件数が増加している理由について刑務官組織の会長は、
実刑判決を受けた受刑者の35%を開放的な刑務所に配置するという政策から生じたとしています。
現在37%の人がこうした刑務所に入所していますが、
そうした者の一部には入れてはいけない人もいると彼はいいます。
刑事制裁庁の長官は、脱獄犯の増加に政策が関わっているところもあると認めています。
「囚人の数は2005年以降減少を続けています。
以前よりも囚人の数が少ないために重犯罪者でも開かれた施設に入所可能になりました」
と彼女は言います。
こうした背景に彼女は経済的な理由を挙げ、
開かれた刑務所は他の刑務所に比べて費用が抑えられるとしています。
それ以上に、こうした施設で過ごすことは、
受刑者が釈放された際により市民生活に溶け込みやすく狙いがあることも明かしています。


誘惑に負けてはいけません。

Repenti / Renan Luce 2006年