べろべろ

片思い。


ノルウェー連続テロ事件で逮捕された被告の元には、
世界中からいわゆる恋文が届けられています。
ただ彼は現在外部からの接触は断たれた状態であり、
それらのほぼ全てを見ることはありません。


タブロイド紙『VG』によれば、彼充ての手紙の中身は色々あるようです。
例えば、母親のように彼を保護するクリスチャンの女性のものや、
あるいは同性愛者からのものも確認されています。
心理学者によると、これらは予想できたものだということです。
「たとえ死刑が確定した人物であっても、
殺人者と連絡を取ろうとする女性の存在はこれまで何度も確認されています」。
この現象に関して特別調査が行われたわけではありませんが、
多くの心理学者はこうした事例を多く確認しているということです。
「まず重要なことは、こうした手紙の送り主は普通の女性ではありません」。
「恋人がいる人や子どもを抱える人が作者という話は聞いたことがない。
個人的見解を言えば、作者は苦労していたり恋人に逃げられた人です」。


重大事件の犯罪者に魅力を感じる女性を理解することは難しいことかもしれません。
特に子どもと女性を殺害した場合には。
こうした一部の女性は容疑者を改宗させたい、あるいは救済したいという思いがあるようです。
「どのような男性に惹かれるのかはわかりません。
ただそうした場合には性的魅力が関係することが大半で、
強い性的衝動によって女性は犯罪者の言動や罪に目が行かなくなる場合があります。
それは病的といえます」。


被告がいる拘置所の司祭もまたこれらの手紙に驚いている様子はありません。
「数年前からこの仕事をしている私はある程度予想していました。
ですから驚いたとかショックだったとかはありません。
社会には狂気めいた人のように、変わった人もいるということです」。


文が紡ぐ。
べろべろ / グループ魂 2010年