BOHBO No.5

Catch me if you can。


今年デンマークで開催された
UCI Road World Championships(世界選手権自転車競技大会ロードレース)。
その大会前デンマーク人のAlex Rasmussen(HTC-Highroad)は
ドーピング検査を逃れたとして所属チームを解雇され、
Danmarks Cykle Union(DCU)からも暫定処置として出場停止処分を言い渡されました。
彼は自転車の世界では名の知られた選手で
トラック種目では数々の世界タイトルを獲得しています。
近年並行して取り組んできたロード種目でも
短距離のタイムトライアル(TT)や平地スプリントなどで活躍していました。


Union Cycliste Internationale(UCI,国際自転車競技連合)は
アンチドーピングの取り組みのひとつとして、
選手に18ヶ月間に3度の薬物検査を義務づけています。
彼はいずれの検査も受けることなく、今回の問題が発生しました。
ドーピング違反や薬物検査を逃れた選手には処分がなされ、
初めての場合には2年間の出場停止処分が出されることが通例になっています。


しかし先週Danmarks Idræts-Forbunds(DIF)が行った彼の処分をめぐる協議ではシロ、
つまり処分の撤回が言い渡されました。
DIFはAlexの3度目の検査逃れ後にUCIが通達した警告が遅かったと判断しました。
「彼が検査を逃れたのは今年4月のことですが、警告が出されたのは8月です。
これは遅すぎる。よって我々はAlexを無罪と決めました」
とDIFの会長は話しています。
規定では違反があった場合には14日以内に選手に通達を行う義務があります。


これによって移籍が決まっていたGarmin-Cervéloへの参加が決定し、
彼が目標としていたロンドン五輪出場の可能性が見えてきました。
ただUCIとWorld Anti-Doping Agency(WADA,世界アンチ・ドーピング機関)は、
Court of Arbitration for Sport(CAS,スポーツ仲裁裁判所)にこの処分を
不服とする申し立てを行える権利を有しています。


灰色ですね。

BOHBO No.5 / サザンオールスターズ 2005年