Le dîner

えも言われぬ恐怖。


風刺画家のKurt Westergaardは、
デンマークで起きたムハンマド風刺画問題で話題の中心にいたひとりです。
彼はターバンが爆弾に模された男を描いたことで国際的に知られ、
それを掲載した日刊紙『Jyllands Posten』と共にテロの標的になっています。
実際自宅を襲撃される事件も起きています。
そんな彼を取り巻く環境は国境を越えても変わりません。


9月13日彼はノルウェー王宮の隣に位置するLitteraturhuset(文学の家)を訪れ、
友人と共に本の出版イベントを行う予定でした。
当日これまでの経緯から警察は周辺を厳重に警戒しました。
当局関係者は明言を避けましたが、
Norsk Rikskringkasting(NRK,ノルウェー放送局)によると、
イベントに対する攻撃計画があったということです。


結局イベントはWestergaardの体調不良に中止となりました。
NRKで本人が語ったところによると、体調不良を理由にイベントを中止すると決定した後、
警察は殺人予告があったことを告げてきたということです。
そして直ちに出国することを勧めてきたようです。
「これはPolitiets sikkerhetstjeneste(PST,警察監視サービス)と
Politiets Efterretningstjeneste(デンマーク警察・情報庁)が決めたことです。
だから私は直ぐに帰路に就きました」。


それもまた表現なのでしょうか。

Le dîner / Bénabar 2005年