Ydinvoimaa

皮算用


10月6日フィンランドの電力会社Fennovoimaは、
新規原子力発電所建設地として同国中西部海岸沿いに位置するPyhäjokiを選出しました。
候補地としては他にSimoがありましたが、
技術的考慮と建設費用が抑えられるとしてPyhäjokiに決定しました。
着工は2015年に開始するとしています。
「Pyhäjokiは岩盤がとても強固であり、冷却水のトンネルも短く済み、
周辺は人口も少なく休日を過ごすための家も少ない」
と同社取締役会長は述べています。
この発表が行われた日、Pyhäjokiに設けられたFennovoimaの小さな事務所には、
支援者や地元の政治家が集まり喜びを共にしました。
この決定により町には多額の固定資産税収入が見込まれています。


ただ、この施設から排出される放射性廃棄物の最終処分方法に関しては未決定のままです。
現在フィンランドでは2カ所4基の原子力発電が運用され5基目が建設中です。
FennovoimaはOlkiluotoで建設が進められている新貯蔵庫に廃棄物を収めるとしていますが、
その施設は別の電力会社であるPosivaが管理しています。
フィンランドの核廃棄物はすべて同じ場所で保管されるべきです。
我々はPosivaと合意できると確信しています」
とFennovoimaのCEOは述べています。
同社は代替案は持ち合わせていないようです。


しかし、翌日早くもこの提案に対する否定が為されます。
「Olkiluotoには十分なスペースはありません。
限られたなかで上手く区分けして利用している状況です。
Fennovoimaも後々に理解できることでしょう」
とPosivaのCEOが語っています。
「長期安全性は我々の指標です。
我々は穴だらけの岩盤を掘削するようなことはしません。
さもなければ物理学と科学の法則が我々に牙をむくでしょう」。
2007年に新規原子力発電所の資格を争うためにFennovoimaが設立されて以降、
核廃棄物の最終処分方法を巡る両社の対立が続いています。
処分方法に関するFennovoimaの主張は上記した通りですが、
他に原子力発電に関与しているTeollisuuden Voima(TVO)とFortumそしてPosivaは、
それぞれの施設から排出された廃棄物のみ収容可能という立場をとっています。


Elinkeinoministeriの大臣はこう強調しています。
原子力発電を行うすべての企業には放射性廃棄物の最終処分に対する責任があり、
Fennovoimaは新規建設が決定した段階で貯蔵施設も計画に組み込むべきであったと。
また国の方針としては、
国内で出された核廃棄物をすべて同じ場所に収める必要はない、ともしています。
Posivaを含む3社はOlkiluotoに核廃棄物の最終処分施設を建設中で、
2020年代にはカプセル化した廃棄物を埋め込む考えです。
現在フィンランドで出された放射性廃棄物
OlkiluotoとLoviisaにある中間貯蔵施設で保管されています。


彼らの多くはその時には不在です。

Ydinvoimaa / Sensuuri 1979年