My Restaurant

私にとっては特別な食事をする場所というイメージです。


「皆が同じやり方をするなんてつまらない。
第二のNomaを目指すのではなく、僕は僕のやり方で行きます」
とレストランRelæのシェフChristian F. Puglisiは言います。
お店のあるNørrebroに友人や家族が集まり開店祝いが行われました。
「私は創造的で挑戦的な料理を作りたい。
例えば長くパンの研究をしていましたがこの価格帯で出すことは珍しいことです。
自分が興味のあることを実行していくつもりですが、それはいい加減なものではなく、
原材料と食品といった基本的なものは時間を掛けて選定しています。
こうした考えは地球環境を守る上で人々の間に広がらなければなりません。
現にそのような考えのレストランは急増しています。
料理はレストランのレベルを維持するのは当然ですが、
これまでの形式とは別の料理を提供していくことが大切だと思う」


世界的に評価が高まりつつある北欧料理の中心地がコペンハーゲンであることは、
この春に発表されたミシュランの星の数で証明されています。
ストックホルムが6店に対してコペンハーゲンは12店でした。
その恩恵の多くはNomaのシェフであるRené Redzepiの功績によるもので、
Restaurant Magazineでは彼のお店は世界最高のレストランに選出されています。
シェフでRedzepiと共に北欧料理界を牽引するClaus Meyerは、
これらの成功にはグローバル精神と北欧料理の根幹に共通点があるからだと言います。
「誰もがこの地球が我々だけのものではないことに気づき、
環境に優しい取り組みを始めようとしているのです。
自然と向き合いながら調理することは世界のどこでも行えることで、
それは北欧料理の考えと合致するものです」
新しい北欧料理の品々は、高級食材のフォアグラやトリュフではなく、
比較的安価なキャベツやトウモロコシに根菜類、野生の果実といったものを材料としています。


北欧料理の国際的な再評価はここ数年の間に起きたことです。
1990年代、新世代のシェフ達は外国に目を向けることでそれぞれの料理に影響を受け、
その高い技術を北欧料理に取り入れ始めました。
特にフランスとスペイン料理に知識とひらめきを求める者が多く、
彼らは盛りつけにもそれを活かそうとしました。
「以前の料理界では、難しい顔をしたシェフがフランベしたものや
高価なワインを陳列されていることが偉大な料理と考えられていました。
しかし新世代のシェフが生み出す料理の数々は、
それとは対照的で現代的かつセクシーなものです。
そして何より彼らは楽しそうに料理をしている」
とある料理研究家は言います。


これまで料理の分野で注目されてこなかった北欧地域のシェフは、
今では前例のない、まるでロックスターのごとく脚光を浴びています。
メディアが北欧料理に焦点を当てて番組制作に乗り出すなど、
北欧の料理界への関心が高まっていることはとても良いことだといえます。


冒頭に登場したシェフは、
15年ぐらい前まで、料理人としての成功を手に入れるためには、
フランスのパリで店を持つことだと考えられていたと説明します。
しかし近年では変化が起き、北欧であってもそれは可能になったようです。
「現在のデンマーク料理界では何らかの制約を課していますが、
それは厨房における創造性を制限するものではありません。
それぞれが個性的な料理・レストランであることが重要なのです」


ファッションと同じように、食事にもまた流行が存在するので、
この機会に北欧料理の文化を各地に浸透させることが大切だと思います。
My restaurant / Chixdiggit 1998年