Miljoonamarssi

大陸には大陸の悩みがある。 hs.fi


フィンランド東部の学校ではロシア語の授業が増加傾向にあり、
スウェーデン語を必修科目からの除外を求める学校も出てきています。
Lappeenrantaにあるフィンランド語・ロシア語学校の1年生の教室では、
子ども達が真剣な様子で割り振られた課題を紙に書き写しています。
入学したばかりの彼らですが助けを求める人はごく僅かで、
フィンランド語をロシア語に翻訳しキリル文字に置き換えることも出来ているように見えます。


ロシア語はフィンランド東部のImatraやJoensuu、Lappeenrantaといった地域にある
フィンランド語・ロシア語教育学校では日常的に使用されています。
1年生の場合、ロシア語の履修は週4時間となっています。
昨年までロシア語の履修は5年次からとされてきましたが、
今年の秋に1年次から履修を行うクラスを設けています。
このクラスには入学希望者が殺到し、24人学級のところに35人の応募がありました。
「お金は人の考えを変えるのに効果的です」と学校長は笑いながら言います。
「多くの親はロシアで働くことで接点を持とうとしています」
彼は学校の生徒数の増加は、
ロシアからの観光客の増加と彼らの柔軟姿勢に起因すると考えています。
保育園の子どもの数はここ4年で40%増加しています。


フィンランド全体の雰囲気として、英語を学ぼうとする熱意には溢れていますが、
第二公用語に関してはその熱気は感じられません。
この国の産業界はロシア語を話せる人材の不足を懸念しています。
2008年にフィンランド東部の企業に調査したところ、
3分の2の企業がロシア語を修得している人の数が必要分に達していないと答えています。
また企業の5分の1はロシア語に十分な語学力があれば雇用人数を増やすとしています。
しかしこれらの要望は学生には届いていないのかもしれません。
Opetushallitus(国家教育委員会)の専門家の話によると、
ロシア語の人気は依然として乏しい状態にあるとのことです。
最新の統計によれば、
8年次においてはロシア語を履修する人の数は増えましたが、
それでもロシア語を選択する人の割合は100人にひとりです。


それでも推進運動が実を結んだ地域もあります。
Mikkeliではロシア語を選択する高校生の数が昨年の4倍に増え、
履修者の数は全体の20%に達しようとしています。
Kotkaでは8%の生徒が4年次からロシア語を学ぶ長期コースを選択しています。
それに加えて、ヘルシンキのように、
移民の増加によって外国語の教育も増加している例も存在します。


更にロシア語の履修者を増やす方法が、
必修科目からのスウェーデン語の除外だと考えられています。
「第二北欧言語を履修することは一般的な教育となっていますが、
ここではスウェーデン語は必要ありません」と先程の学校長は言います。
フィンランド東部にあるフィンランド語・ロシア語教育学校では、
例外措置としてスウェーデン語は選択科目とされていますが、
それは学習時間を抑えているということではありません。


5月に東フィンランド州では文化省や文部省に対して、
ロシア語を必修科目として認めるよう求めました。
この地域において必修科目としてスウェーデン語を学ぶことは、
現実的でもなく必要用件でもないというのが彼らの主張です。
同省は過去にも同様の提案を否決したように、今回も承認することはないでしょう。
フィンランドの学校でスウェーデン語を必修科目から除外することは、
生徒のその後の学生生活や仕事に予期せぬ影響を与えると考えられています。


制度を決めるのは大人、学ぶのは子ども。
Miljoonamarssi / George de Godzinsky 1970年