Le langage du coeur

今日もひとつ言葉が消えていく。


デンマーク国内では外国からの影響によって言葉が消失してしまうという危機感から、
デンマーク語に関する議論が盛んに交わされています。
今年の9月Kulturministeriet(文化省)は大がかりな言語政策を発表しましたが、
ModersmålselskabetやDansk Folkeparti(デンマーク国民党)は不十分だと批判しています。
しかし言語学者デンマーク語が消滅するとは考えていないようです。


デンマーク語が使われなくなるなんてことはありません。
言語に対する懸念は産業に限られた話であって、それらには証拠も存在します」
とDansk Sprognævn(デンマーク語評議会)の委員で社会言語学者でもある人物は言います。
彼はデンマーク語の利用を促進したところで言葉の生存には関係はないとして、
文化省の政策には賛成することは出来ないとしています。
「言語政策は思想に影響を与えることに重きを置いているので、
実施されれば言語の多様性が失われないかと心配しています。
デンマークを話す機会は現在でも十分に存在していて、
言葉の変化を有益なものだと捉えなくてはいけません」


その一方で彼はこう考えています。
言語研究に関して長い伝統を誇るデンマークは、
絶滅危惧言語を使用している各地に言語学者を派遣して、
言語を記録し書き言葉と文法として利用出来るようそれらを助ける必要があると。
例えば、スウェーデンノルウェーで暮らす少数民族サーミ人は、
現在ではそれぞれの地域で自然にサーミ語を使用しています。


デンマーク語がデンマーク国内で広く利用され、
反対に他の地域では利用されていないように言葉には地域性を含んでいます。
学術用語として英語の利用が拡大するなかで国民党は、
国内の大学ではデンマーク語の使用を維持するよう求める法律の導入を目指しています。


そして今日もまた言葉が生まれる。
Le langage du coeur / Abd al Malik feat. Mila Tosi 2004年