In the Cold, Cold Night

しもやけができてます。


ヨーロッパでは昨年の冬同様に、今年も強烈な寒波が猛威を振るっています。
フィンランドでは独立記念日である12月6日前後から豪雪に見舞われました。
Ilmatieteen laitos(気象庁)職員はこう言います。
「首都圏では1日で15cm以上の降雪を観測しました。
(12月7日当時)現在LaplandのInariの積雪量は43cmでヘルシンキが45cmですから、
国全体で一番雪が多い場所が首都ということになります」
独立記念日にこれほどまでの降雪を記録したのは、1965年以来になるということです。
この豪雪により鉄道は早朝から運休、ヘルシンキとKajaaniやTampereを結ぶ線も遅延を余儀なくされ、
交通状況も各地で渋滞を引き起こしていました。


20日前後にも首都圏は再び寒波に襲われ、
1日で20cmの降雪が確認されたヘルシンキの積雪量はKaisaniemi地区で67cmを記録しています。
この地区の最高積雪量は1915年に記録した70cmで、更新も時間の問題になっています。
繁華街では深夜にも除雪作業が行われていましたが、
吹雪の影響でほぼ1日中作業が中断される事態にもなりました。
首都圏では交通事情に乱れが生じましたが、国全体ではこの日はおおむね通常通りということです。
フィンランドの今年の冬は北部と東部で雪が多く記録されていますが、
反対に南西部ではそれほど観測されていません。
ただ気温は低い状態が続いており、これからも-10℃以下の日が続くと見られています。


スウェーデンでも異常な気候は続いています。
「数日間連続して氷点下以下の気温を記録することをアイスデイズと呼んでいます。
Lucia(12月13日)以前にこれを記録したのは、ここ100年で初めてのことです」
とthe Swedish Meteorological and Hydrological Institute(SMHI,気象庁)の関係者は言います。
猛烈な吹雪の影響で停電が発生していて、
同国東部にあるÖrnsköldsvikでは2300世帯が数時間、
1000世帯が一晩電気なしの生活を余儀なくされました。
また鉄道はMalmöとLundの間で運休となり、バスへの切り替えを行いました。


雪が続いたことで除雪機の盗難も相次いでいるようです。
ストックホルムの南に位置するTyresöでは、
ここ数週間の間に除雪機18台の盗難が確認されたということです
スウェーデンの商店では店シャベルや除雪機器が不足している状況にあります。
1台平均1万SEK(12万円)するとされている除雪機の管理を徹底するよう、
警察は住民に対して注意を呼びかけています。


これからもスウェーデンでは寒い日が続くと見られ、
南部では-10〜15℃、北部では-20℃前後の気温が予想されています。
鉄道や道路では多くの混乱が発生していますが、空の便は比較的落ち着いているようです。
「ヨーロッパ各地にある飛行場の閉鎖による影響は受けてはいますが、
スウェーデン国内に関しては問題はありません」
と空港管理会社の関係者は話しています。
「我々は直ぐに滑走路をクリアにすることが出来ます。
これに関して言えばArlanda空港は世界一だと思う」


北欧で一番南に位置するデンマークもまた雪が積もっています。
積雪量が首都圏では10〜15cm、RoskildeやKøgeなどを含むSjællandでは15〜20cmを記録しています。
鉄道ではデンマークスウェーデンを結ぶØresundが一時閉鎖され、
乗客はバスでの移動を余儀なくされました。
空の便は18日だけで30便以上欠航しています。
「ここ3週間ぐらい雪を除去するために、
1日当たり50万〜100万DKK(700万〜1400万円)ぐらいの費用が掛かっています。
と空港関係者は話します
「総従業員200人のうち60人を常駐させ、素早い除雪作業を行っています。
彼らの仕事ぶりは見事ですが、疲労も限界に近づいています」


19日深夜には北Jutlandで-16.7℃、Karupでは-15.9℃を記録するなど、
ここにきて寒さは更に厳しさを増しています。
現在のところデンマークの12月の平均気温は歴代で5番目に低いということです。
例年であれば12月の平均気温は1.6℃ですが、今年は-2.5℃です。
クリスマス前後に一度穏やかな天候に変わると予想されていますが、
その後は新年まで寒い日が続くと見られ、
最終的には歴代で3番目に平均気温の低い年になると考えられています。


私が体感した最も低い気温は外気温で-10℃、室内気温で0℃です。
In the Cold, Cold Night / The White Stripes 2003年