One Day

アイスランドの話題は久しぶりと思っていたら・・。


5月21日の午後、
アイスランド南東部に位置する氷河VatnajökullのひとつGrímsvötnで噴火が確認されました。
Grímsvötnは国内で最も活動的な同火山で、噴火は1945年以降今回で6回目となります。
前回の2004年の噴火活動は4日間で終息し、
昨年4月に各地の飛行場を一時閉鎖へと追いやったEyjafjallajokullとは異なり、
ヨーロッパ航空網への影響はありませんでした。


上空15〜20km付近まで舞い上がった噴煙が翌日の夜に首都レイキャヴィークに到達したように、
この噴火は国内に様々な影響を与えています。
噴火した当日中に同火山から120海里が飛行禁止区域に指定されたほか、
国内最大の空港Keflavíkurflugvöllurの封鎖(後に国内全滑走路閉鎖)や、
環状道路の一部区間を封鎖する事態が起きています。
それでもGrímsvötnとEyjafjallajokull噴火を比較すると、
今回は放出される火山灰の量が少なく、また灰が大きい為に遠くへ拡散することはないだろう、
とVedurstofa Islands(アイスランド気象庁)の地質学者は見ていました。


しかし22日になると、当初の楽観的な予測を否定するような見方も出始めます。
予想される風向きに乗った場合、
火山灰の雲は火曜日の夜にもスコットランド北アイルランドへと到達するということです。
そしてその後イギリスやフランスといった国々にも向かうだろうと見られています。
実際、この影響は徐々に出始めており、
デンマークグリーンランド間の航空機の運行は停止されました。


現地ではどのような状況にあるのでしょうか。
大半の地域では空が火山灰に覆われているために昼間でも夜のように光がなく、
新鮮な空気を吸うことは不可能に近いようです。
「朝、少し外を歩いてみたら、それだけで目や口に灰を感じました。
車で移動しようと思ったけれど、直ぐに引き返しました」
アイスランド人の写真家は言います。
「地面には灰が2cmぐらい積もった状態」で、視界は30cm程度ということです。


現地に居合わせた観光客はどうでしょうか。
あるホテルの責任者には、
噴火を見に来たわけではないけれど、彼らがこの事態を楽しんでいるように見えるようです。
「彼らは非常に興奮しています。それまではこの国で興奮するものが見られなかったようです」
観光客は当初地震や噴火に怯えていましたが、
落ち着いた今では安全な場所から見る噴火を楽しんでいる、と彼女はいいます。


噴火の状態やアイスランドの様子(写真)はvisir.isb.dkでご覧ください。
定点カメラはこちらlive.mila.is
(時差や現地状況によりご覧になれない場合があります)
One Day / Björk 1993年