Jazz at the bookstore

先週の『Love Forever』は出版社目線、今日は書店のお話。


例えばBonnierのようなスウェーデンの大手出版社は以前よりも好調な日々が続いています。
しかしこれが書店となると別の話で、
オンライン販売業者や電子書籍との激しい生存競争を繰り広げている最中です。
書店は読者の足を止めることが出来るでしょうか。


ストックホルムで最大規模を誇るその書店は、
スウェーデン語書籍は勿論、外国語書籍、特に英語書籍を専門的に扱っています。
このお店ではどちらの書籍も大幅な値下げをしての販売が強いられています。
30年間このお店に勤務している男性は、今朝7時に開店したことを明かします。
これは顧客に販売の機会を多く提供するためであり、
この日は20人近くが店の前で開店を待っていました。
午前中は棚の前に人が列を成している状態が続いています。


にもかかわらず、彼は近年書籍販売に変化が起きているといいます。
「10年前までは好調でした。
現在では売り上げも減少し、スウェーデン語書籍の価格も低く抑えられています。
ガソリンスタンドやスーパーでも本が販売されるようになりました」
書店は販売する書籍で個性が表れるものであり、
本の感覚やその書籍をよく理解している人たちによって運営されていると彼はいいます。
これに同意するのは、居合わせた若いひとりの客です。
「オンラインで本を読むことや買うことよりも、
この紙の感覚やそれを手に取ることがいいんだよ」


書籍販売員の話では、
英語書籍は大量の在庫を抱えているためオンラインではなく店での販売が好調だそうです。
スウェーデンでは電子書籍はまだ一般化したとは言い切れず、
十分な競争も行われていないと彼は指摘します。
「たぶん、アメリカから常に5年くらいは遅れているはずです」
ただ本が十分な利益を上げる存在ではなくなっていることも認めています。
「これからは今以上に厳しいものとなるはず」
彼は新しい顧客を取り込み維持していくことが重要だと考えています。


鍛冶屋とか桶屋みたくなるのでしょうか。
Jazz at the bookstore / Ron Sexsmith 2007年