Kom med mig

国境のロングなトンネルをスルーすると・・・、


英語がデンマーク語に取って代わろうとしている。
ある言語学者は今年発表した本のなかでこう書き記し、
現在のデンマーク語の健康状態を確認したいと考えを明らかにしています。
これは言葉だけの話ではありません。
少し前まで、夜のニュースが放送されている時間帯には商店は閉まっていました。
しかし現在では夜遅くまで買い物出来る場所は少なくありません。


「例えば電車を待っているとき、
プラットフォーム上を清掃している鉄道職員を見つけたとします。
彼らの背中には[Perron-manager]と書かれています。
何故でしょう?
彼が英語を話せるわけでもないのに【altmuligmand:便利屋】よりも別の名前を付けたがるのです。
おそらく、実際よりも賢く見られたいという意図があるはずです」
と彼は言います。


彼はデンマーク語の状態を確認する意味として、
人々が言葉を意識しているか、またはそうでなくても、
いくつかのデンマーク語は深刻な状態に陥っているからだとしています。
そしてこのような永久的な症状は、人が使用する言葉に悩むことになると指摘します。
英語が魅力的かつ世界的言語でありデンマーク語のなかで市民権を得つつあるため、
母国語を見直す時期にあると主張しています。
「新しい技術や概念が誕生した際に英語名が歓迎されています。
既にいくつかの単語が世間を闊歩しているにもかかわらずです。
どうして【direktør】【pludselig】が突然[CEO][president]になってしまうのでしょう?」
こう述べた後で彼は、
息子が[Key Account Manager]に就いたと言っても母親世代は理解できない、
と矢継ぎ早に指摘しました。


ipodを通して好きなテレビ番組や音楽をダウンロードすることで、
若者世代は英語を身につけていると彼は見ています。
「我々は[computer]を取り入れたように、外国語に対して非常に開放的です。
その一方で【lommeregner:計算機】は[calculator]としなかったことは、
デンマーク語を形成していく上でも良いことだった」
デンマーク語は他のヨーロッパ言語よりも変化が早く、
10年単位で世代別の言葉が出来てしまうほどです。
古い新聞を読めば、それが80年代のものか90年代のものか判断が可能なのです。
このようにデンマーク語は直ぐに変化していくのです」


アメリカの言語である英語が世界的に使用されている背景には、
その国が持つ力と影響力が反映されているともいえます。
急速な成長を続ける中国もまたその仲間入りを果たすかもしれません。
これはデンマーク国内の新聞やテレビ、
食習慣にも中国式が浸透するということを指すのでしょうか?
「中国はデンマークとは離れた国なのでそういうことはないと考えています。
しかし中国の台頭は言語以外の点で影響を受けることでしょう」


日本語もおなじようなものでしょうか。
Kom med mig / Stine Kinck 2010年