フューチャートラックス

好奇心は罪の味。 24.dk


ポルノや嫌がらせ、そして見知らぬ人からの連絡。
EUKidsOnlineがデンマークの9〜16歳を対象にネットに関する調査をしたところ、
28%がネット上で不快な経験をしたことがあると答えました。
ほぼ3人に1人という割合はEU全体の平均である12%を上回り、
調査したEU25ヶ国で最も悪い数字でした。


デンマークの子どもが不快な経験を多くしている理由のひとつには、
他のヨーロッパ諸国に比べて、子どものネット使用時間が長いことも挙げられます。
そしてもうひとつの理由として、デンマーク自由主義が関係する、
と主張するのはメディア評議会の一員を務める大学教授です。
南ヨーロッパで一般的に行われているような子どもに対する学校や両親の制限が、
ここデンマークでは行われていません。
それらの地域では有害サイトから子どもを守るためのフィルタが普及しています。
デンマーク南ヨーロッパではこの問題について異なる傾向が見られます。
デンマークでは、そうしたものの脅威について親子が話し合う場合、
親は子供自身がNoと言わなければならないことを教えます。
しかし南ヨーロッパの親子の間では、ポルノやセクシュアリティの話題は開放的に扱われ、
不快な経験をする可能性があることを注意しています」


「我々の研究上、子どもたちはすぐにフィルタを無効化する方法を見つけてます。
何かが禁止されるとそれだけで興味深いものになるのは誰でも同じです。
またフィルタには限界があります。
子どもは年齢を重ねると共にウェブとどうつき合うかを学んでいく必要があります。
ですから、我々の意見とすれば、
幼いうちからネット上の脅威について親子が話し合うことをお勧めします」


メディアと子どもの関係を研究しているCopenhagen Business School教授は、
この意見に否定的です。
「フィルタ機能は年少の子どもには有益なものかもしれないけれど、
それ以外には必要ありません。
彼らは親以上にパソコンを自由に操作できます」


IT-Universitetet准教授は、
こどもにネット上のエチケットを教えることは重要だと指摘します。
彼女がヨーロッパの2万5千人の子どもを調査した結果、
デンマークの若者はネット上でポルノや攻撃に遭遇することへの認識が不十分で、
そうした話をした場合にはいじめの対象にも成りかねないということです。
「こうしたことをデンマークのほとんどの子どもが心配しています。
オンラインは時にいじめには恰好の場となり、彼らは息苦しさを覚えています」


最初の教授は、いじめがより広範囲で認識しにくいものになったことを認めます。
その上で彼女は、両親や教師や学校がよりこの問題に責任を持つべきだとしています。
「いくらかの親は
自分の子どもがオンライン上でいじめを受けていることを理解していないかもしれない。
そこで我々が助けることが重要だし、また導くことも大切です。
親に対処できない場合には教師や学校が立ち入る必要があります。
ネットを使用することは今や日常生活で不可欠なものとなり、
その中をどうやって切り抜けていくかを教えるのが大人の役割といえます」


パンドラの窓。
フューチャートラックス / ケツメイシ 2011年