Dodeline

過去の問題・今の問題・・


1985年デンマーク議会は原子力発電を商業利用しない決定を下しました。
しかし現在、この国は放射性廃棄物処理問題に直面しています。
Risø DTU(国立研究所)にかつて存在していた3つの実験用原子炉から出た2つの放射性廃棄物
低レベルのもの約5000m立方メートル以上、高レベル廃棄物約2500kg、
はこの国のどこかに堆積する必要があります。


近いうちにデンマークの市町村では、
放射性廃棄物の最終処分場の選定作業に入るといわれています。
この5月に公開されたDe Nationale Geologiske Undersøgelser for Danmark og Grønland
(デンマークグリーンランド地質調査所)の専門家が行った地質調査報告では、
少なくとも300年は廃棄物を収容することが出来る場所として6カ所の候補地が挙げられています。
(Østermarie,Rødbyhavn,Kertinge Mark,Hvidbjerg Thyholm,Thise,Salling)


廃棄物からは有害な放射性物質が何百年以上もの間放出され続けるため、
処分場は人や環境からの分離を可能とする条件を満たしている必要があります。
2年前に出された報告書からは政策方針を読みとることが出来ます。
「最終処分場は放射性物質生物多様性に対してリスクを伴わない設計でなければならない。
予測可能な健康への影響が将来世代においては
現在の基準よりも低い方法で放射性廃棄物は処理されなければならない。
そして放射性廃棄物は将来世代にとって過度の負担にならない方法で管理される必要がある」


これからデンマークではその土地をめぐって激しい議論が交わされ、
最終的な決定が出されるまでには数年が掛かると予想されています。
Dansk Dekommissionering(DD)は、
2018年には遠隔操作ロボットアーム等を使用しての核施設の解体が可能になるとしています。
そうして取り出された放射性廃棄物は恒久的な保存をする場所へと輸送することになりますが、
Strålebeskyttelseはその計画も危険性が伴うものだとして、
処分場計画と平行した計画書を作成するようRisøに求めています。


デンマーク議会では以前、廃棄物を外国へと輸出してそこで保管する方法を議論しましたが、
核燃料は国際的な取り決めによって、それが作成された場所で格納される必要があります。
こうしたデンマークの核廃棄物の問題についてDDの保健物理学者は、
スウェーデンを含む他の原発保有国と比較すると極めて小さいものだと強調しています。


未来の問題。

Dodeline / Tété 2001年