Punker Plus

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National Cinnamon Bun Day。
青春時代、カルダモンとアーモンドペーストを練り込んだ生地に、
クリームを包み込んだスウェーデン伝統的な菓子semlaに誰もが夢中でした。
そして今日スウェーデンでは、10月4日はシナモンバンの日となっています。


コンビニやパン屋に足を運ぶと、
そこに並べられているパンの多くにシナモン渦が確認できます。
それは日々の生活にはなくてはならないものですが、
特に10月4日は飛ぶように売れていきます。
ただ意外なことに、シナモンバンの日の伝統はとても浅いものです。
これは1999年Hembakningsrådet(ホーム・ベーキング委員会)が創立40周年を記念して、
国民食として人気の高いシナモンバンを祝う日を考案したことが始まりです。
「シナモンバンはスウェーデンの家庭で作るパンとして最高のシンボルです。
嫌いな人がいるとは思えません」
とこの記念日の立案者の1人は語っています。


このバンが高い人気を誇るのはいくつかの要因が挙げられます。
「私が子どもの時からシナモンバンの記憶はよくあるように、
これは4〜5世代前から各家庭で焼かれています」
スウェーデンでは1920年代にシナモンを加えたパンが登場しましたが、
家庭で一般的に焼かれるようになったのは1950年代とされています。
それは『Vår Kokbok(英訳:Our Cookbook)』の初版が出版されたことで、
世間に浸透することになりました。
この本は主婦必読の本として知られています。
ただこのころ家庭でパンを焼いていた女性は、
1960年代に入ると職場で長い時間を過ごす人が多くなっていきます。
現在では家庭でシナモンバンを作ることはかなり珍しいことになりました。
それでもそのシナモンの甘い香りは多くの人を惹きつけています。


つまり、古くは平賀源内が土用の丑の日を発案したように、
記念日というものはすべて消費のためということですね。

Punker Plus / Le Tigre 2004年